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      中曹青連絡協議会にて
曹洞宗・梅岳寺副・末武正憲


 先日中国曹洞宗青年会連絡協議会という毎年この時期、広島で慰霊法要と講演を行っておりまして、その講師に震災当時、全国曹洞宗青年会の会長であり、現在曹洞宗東日本大震災復興支援室主事の久間泰弘さんという方に復興支援活動の現状をお聞きしました。

 久間さんは福島市の隣の伊達市というところにお住まいで、原発からわずか40qのところです。

 ご自身の家族は岩手県の親戚の家に身を寄せていて単身ご自坊で活動しておいでです。

 その方の話です。

 震災に会った人は自責の念にかられています。

 あの時こうしてればよかった、なぜあの人が亡くなって自分が生き残ってしまったのか等。

 居住と生活が安定しないとうつになっていきます。

 そうした人たちにどのように心休まるひとときを提供できるかが、われわれの務めではないか。

 ある方は震災後半年して初めて「急須で淹れた温かいお茶を頂きました」と満足そうに言われたそうです。

 避難所に水はたくさんあるものの、湯を沸かし急須でお茶を淹れる、そのひと手間をかけるだけの心の余裕がなかったそうです。

 忘れてはならないのはボランティアは主人公ではなく、触媒であること。

 横柄な物言いをして、立ち入りを断られた団体もあるそうです。

 心がけるべきは避難所では宗教的儀式を行わないこと、信仰の自由を尊重することであり、答えを与えるものではなく、寄り添って気づきを一緒に得ていくことができるかが宗教者の役目ではないかと。

 われわれ曹洞宗山口県宗務所、山口県曹洞宗青年会も当面、支援活動を続けていきます。

 つきましてはご支援、ご協力の程、よろしくお願いいたします。