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          尊いいのち

浄土真宗・光源寺副・三上照文


 私事ですが、先日初めての子供が生まれました。

 生まれるまでの20時間ほどの間、妻はずっと陣痛で苦しんでおりました。

 お産というのは大変な痛みを伴うものなのですね。

 子供も辛かっただろうと思います。

 この世に生まれ出るには、母も子も大変な思いをするのだとわかりました。

 以前、テレビで皇帝ペンギンの子育てについて放送していたのを見たことがあります。

 秋の終わり、メスのペンギンたちが1個ずつ卵を産みます。

 メスはその卵をそのままオスに預け、海に餌を取りに行きます。

 そして、残されたオスたちはそれぞれの足の間に卵を抱いて、2ヶ月もの長い間、立ったまま卵を温め続けるのだそうです。

 その間、オスたちは何も食べません。

 飢えと南極の冬の寒さにただひたすら耐えつづけながら、卵を温め続けるのです。

 2ヵ月後、ヒナたちが卵から孵る頃、メスたちは丸々と栄養を蓄えて帰って来ます。

 そして、疲れきったオスたちと育児を交代するのです。

 南極の雪原に立つ皇帝ペンギンのオスたちの、ある意味、崇高な姿に私は感動しました。

 この世に生あるものは皆それぞれに大変なご縁によって今あるわけです。

 そしてそんな尊いいのちを毎日私はいただきながら生かさせていただいております。

 十方衆生、すべてのものを救いたいと願われ仏になられた阿弥陀様を仰ぐ時、いのちあるものをいだだいてしか生きてゆけない私自身の姿があきらかになります。

 阿弥陀様の大慈悲心に出あう時、自分本位、自己中心的にしか物事を見ることができない私自身に気づかせていただけるのです。

 親も子供も南無阿弥陀仏のお念仏の生活をさせていただきたいと思います。




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