トップ > ネット法話
このページは音声読み上げページです。下の[開始]ボタン(右矢印)を押すと、テキストの読み上げを開始します。[開始]ボタン(右矢印)が出ていない場合はここをクリックしてください。
(曹洞宗・海潮寺・木村延崇)
過般10月11日、曹洞宗大本山總持寺では新貫首禅師様の晋山式礼が、厳かに執りおこなわれました。
わたくしもちょうど二年前に晋山式を勤めさせていただきました。
住職の正式な就任式であるこの儀式の中心は、新住職としてふさわしい資質を備えているか、その力量が試される場面です。
それは「晋山上堂(しんさんじょうどう)」「祝国開堂(しゅっこくかいどう)」と言いならわされ、普段登ることのない本堂の高い須弥壇上に立ち、修行僧らと鋭い禅問答を取り交わし説法いたします。
このとき多くの檀信徒も参列しておりますので、力強くかつやさしく禅の境界を教示することになります。
長年に渡り研鑽を積み重ねてきた学徳や抱負を説き示すことが求められ、大変な緊張を伴います。
僧衆の最高位たる白槌師(びゃくついし)がこの大問答を無事見届けますと、大和尚としての力量を証明し宣告なさいます。
これをもって名実ともに新住職の就任が認められるのであります。
すでに早二年を経過しましたが、あらためてその初心に立ち帰り、檀信徒をはじめとする多くの方の平和・幸福・発展を祈りたいものと存じております。