み仏の恵みを喜ぶ
(浄土真宗・永照寺・松岡 洋之)
日々の生活の中で今の自分と誰かを比べてしまう私の姿があります。
隣の芝生が青く見え、羨み妬み、不安を抱えたり苦しくなったりします。
反対に自分の方が優れていると優越感に浸ることもあります。
比べるのは、他人だけとは限りません。
元気だった頃の自分、楽しかった頃の自分といった昔の自分と今の自分を比べて肩を落としたりもします。
「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」
お釈迦様はお生まれになってすぐに七歩歩まれ、この言葉を語られたと伝えられています。
私ただ一人が尊いと言っているのではありません。
誰かと比較して一喜一憂してしまうこの私に誰かと比較するのではなく、すべてのいのちは、いついかなる時でも尊く輝いているとお示しくださっていると味わわせていただきます。
何かにつけては比べられたり比べたりして、自分の心も他人の心も傷つけてしまうこの私が、仏さまのみ教えを聞かせていただくことで、比べられない世界が開かれていることに気づかされていきます。
互いにうやまい助けあい、自分も他人も尊重する日々を送らせていただきたいものです。