(曹洞宗・西来寺・末武正憲)
先日、山口県立美術館で行われていた佐藤健寿展奇界世界を見に行って来ました。
佐藤健寿とは、これまで世界120カ国以上を巡り、ありとあらゆる「奇妙なもの」を対象に、博物学的・美学的視点で撮影と執筆活動を行ってきました。
多様な文化や建築、自然が生んだ奇景、奇妙に見える風俗を持つ人々など、尽きることのない探究心を通して撮影された未知なるものは、わたしたちに多くの驚きと発見を与え、好奇心をかき立ててきました。
稀代の写真家、そして作家として、幅広い世代から支持を受け、近年はテレビ、雑誌、ラジオなどメディアでの活躍の場も広げています。
本展は、佐藤健寿の造語をタイトルとして出版され、人気を博した代表作『奇界遺産』をはじめ、過去20年にわたる旅をシンプルな視点で捉えた『世界』、さらに本展巡回各地の不思議なものを撮り下ろした特別な作品を展示しながら、人間の根源とその普遍性を見つめ続けてきた佐藤健寿の魅力に迫ろうとするものです。
世界的パンデミックによって世界への扉が閉ざされてしまったいま、本展が皆様にとって新鮮な旅に想いを馳せる機会や、新たな世界を見つけるためのヒントとなれば幸いです。と、佐藤健寿のホームページにはあります。
世界中の奇妙なものを写真に収めたと言いますが、文化、風習に到っては、そこで生活するひと達にとっては極めて合理的であって奇異の目で見られることに違和感を感じるかもしれません。
特に印象的なのは、北朝鮮のマスゲームの鮮明な写真があったことです。
その説明によると、マスゲームのルーツは日本に起因するそうで、外貨を獲得する手段になっており、そのことについても驚きでした。
北朝鮮の印象といえば極めてドメスティックであり積極的に海外に発信するようには思えないからです。
マスゲーム以外の1枚の写真は、極めてカラフルな集合住宅ばかり並んでいるものでした。
これは金正恩体制になってからそのようにしたそうです。
確かに新たな世界をみつける一助になったように思います。6月11日まで