毎日のようにテレビや新聞等で殺人事件が報道されていますが、最近特に目立つのが、家族内でおこる事件です。
子供が泣きやまないから殴って殺したとか、両親や祖父母に注意されて腹が立って殺したとか、何でそんなことでというような理由で起こっています。
これは、自分さえよければ他はどうなろうとかまわない、というあまりにも身勝手な考えからではないでしょうか。
この考えは、犯人達だけが特別に持っているのではなく、私たちの心の奥にも潜んでいることではないでしょうか。
自己中心的になってきた原因としては、戦後西欧の個人主義の悪い点をまねした、テレビ、テレビゲーム、受験戦争、バブル時代にお金だけを追いかけたつけ等、様々な要因が考えられますが、一番大事なことは、それぞれの心のもちようだと思います。
曹洞宗の開祖道元禅師様は、「自己をはこびて万法を修証するは迷いなり、万法すすみて自己を修証するはさとりなり。」と説かれています。
自分を中心として考えると思いどうりにならずまわりとぶつかったりします。相手の立場に立って考えまわりをよくみながらその中に自分を生かしていくことがしあわせですよ。という御教えです。
これから私たちは、もっと他人の立場に立って、人の痛みが分かる広く大きな心を失わないよう、努力していきましょう。