自業自得
(浄土真宗・永照寺・松岡 洋之)
時折、文句ばかりを口にしている自分に気づかされます。
人間関係に、状況や環境に、果てはテレビを観ていてなど、あら探しばかりをしているようで嫌になります。
どうやら私の頭の中は、他を責める言葉で溢れかえっているようです。
自らを棚に上げて、文句を言う姿や心持ちは、まるで責めていることが手柄ででもあるかのように錯覚しています。
聞かされる方は、もちろん嫌な気持ちになるでしょうし、傷ついたり、腹を立てることも分かっていますから面と向かって口や態度で示すことは滅多にありません。
しかし、心の中では不平不満が沸き起こり、そんな自分に後ろめたさや自己嫌悪を覚えます。
仏教では、身体で行ったこと、言葉で発したこと、心に思ったことは、すべてその人の未来に影響を及ぼすと説かれます。
そして、その未来の結果を自分が受けていかねばならないことを「自業自得」と示されます。
自分に都合良く生きるために、他に与えた苦しみや悲しみは、いずれ自分にも返ってきます。
自分の行いや心が苦しみ悲しみの世界を作り上げ、そこに自分で落ちていっては笑い話にもなりません。
仏さまのみ教えを聞かせていただき、我が身の恥ずかしさを知らされ、分かっちゃいるけどやめられないと、開き直ったり、あきらめるのではなく、常に我が身を振り返り、改められる生き方を恵まれます。