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          一篇のエッセイから

                                      (曹洞宗・広厳寺・三好克典 )


昨年の秋、一篇のエッセイがラジオで紹介され放送後、大反響をよび、一つの本となりました。すでに手に取って読まれた方もおられるかもしれませんが、今回はその本「世界がもし100人だったら」から抜粋してお話しいたします。

「世界には63億人の人がいますがもしそれを100人に縮めたらどうなるでしょう。」と始まる文はとても短く、絵本のようにつくられており、内容は、「100人のうち52人は女性で48人は男性です、61人がアジア人で13人がアフリカ人、又33人がキリスト教で6人が仏教を信じています。」などと世界を小さく100人にして、そのいろいろの分野での比率を数字で表しています。

又現在の世界状況や世界が今、直面している衣食住の様々な問題点も示しています。このような文があります、「75人は食べ物の蓄えがあり、雨露をしのぐところがあります、でもあとの25人はそうではありません、17人はきれいで安全な水を飲めません。信仰や良心に従って生活出来るのならそうでない48人より恵まれています。空爆や地雷による殺りくなどにいなければそうでない20人より恵まれています。」とあります。

今皆さんはどのような生活をしておられるのでしょうか、これを聞いている人、いや日本で暮らしている人は、全てに恵まれている事に少しはきずくのではないのでしょうか。

お釈迦様の教えに「少欲知足」の教えがあります。「少欲知足にして染と恙と痴と無し」とあるように、自分をよく知りそして、多く求めず足る事を知っておけば不純な気持ちなく、怒りや自分中心の考え愚痴などおこりません、そして他の為に考えたり行動したりする「慈悲」の心が芽生えます。

本は最後にこうあります、「まず、あなたが愛してください、あなた自身と人がこの村に生きてそしているということ、この村を愛することを知ったらまだ間にあいます。」と。


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